代表挨拶

株式会社レコフ代表 吉田 允昭

(株)レコフ代表 吉 田 允 昭(よしだ まさあき)

1938年大阪生まれ。1960年大阪大学法学部卒業。
1973年山一證券において日本初のM&Aチームのリーダーとなり、日本におけるM&Aビジネスの基礎を創る。1987年レコフを創業。
1970年代前半から流通、製薬、エレクトロニクス、情報システム、金融等の再編・M&Aに従事。早稲田大学商学学術院(大学院商学研究科)客員教授。

友好的な関係のもとにお互いの持つDNAを繋ぎ合わせる、時代を超えて変わらない私にとってのM&Aの意義

 私がM&Aと出会ったのは1973年、「これから香港に会社を売却しに行く」という中国系米国人のインベストメントバンカーと知り合ったことが始まりです。その時、会社を売却しに行く、という言葉に強いカルチャーショックを覚えました。当時は日本国内ではもちろん、米国においてすらM&Aという言葉は普及しておらず、Acquisitionの頭文字をとってAQ(エイキュー)と呼ばれていた時代です。それから三十有余年の間、私はほぼ一貫してM&Aのビジネスに携わってきました。時代の変遷に伴って、案件数は増加しM&A手法は著しい進化を遂げましたが、企業の経営者が大きな決断に直面して悩んでいる姿は、当時も今もまったく変わりません。そして、私の中でのM&Aの意義も一貫して不変です。それは、経営者の悩みや企業が持つ経営課題を解決するために、もっともふさわしい相手方企業を探し出し、友好的な関係のもとにお互いの持つDNAを繋ぎ合わせ、新たな企業体を創り出すことです。

顧客との長い信頼関係に支えられた20年間、その信頼関係こそ、何よりの資産です

 レコフはどの資本系列・金融グループにも属さない非上場企業です。何からも束縛されることなく、ただ純粋に経営者の悩みと企業の経営課題の解決とに資する提案を行い、M&A案件を創出・実行するために日々努力を重ねています。レコフは、弊社自身の一時的収益を最大化することよりも、案件を通じて顧客との長期的な信頼関係を醸成していくことが何より重要であると確信しています。今年レコフは創業20年を迎えますが、顧客企業との長い信頼関係に支えられてこそ、今日を迎えることが出来たと考えています。

主役は顧客企業、レコフは触媒、だからこそ役割が終われば跡形も残さない

 M&Aにおける主役はあくまで顧客企業です。レコフのように案件にかかわるプロフェッショナルは裏方であり、言わば「触媒」以上の存在ではありません。レコフは、携わった案件のトラックレコードを公表していません。その点については時折、外部の方からトラックレコードを公表してはどうかとのご意見をいただくこともあります。しかしながら、過去の成約案件についても顧客との秘密保持を貫き、「触媒は役割が終われば跡形も残さない」という矜持(きょうじ)をレコフは大切にしています。新たな顧客へもトラックレコードを提示するのではなく、案件提案の内容で自らの力量をお分かりいただくように社員を指導しています。

経営者の思いを忖度(そんたく)する力がなければ、M&Aに従事すべきではない

 M&A案件も最終的な決断の段階にさしかかると、多くの経営者が、それまでの企業の歴史や多数の従業員とその家族の行く末に思いをはせ、自ら下した決断の重みを厳粛に受けとめられている姿を見ることがあります。私は、その度ごとに身が引き締まる思いがします。レコフでは、経営者の心の呻吟(しんぎん)を理解し、その思いを忖度できない者はM&Aに従事すべきでないと考えています。M&Aのプロフェッショナルとして、資本主義の規律を体得し、論理的にも明解であることは必要ではありますが、理屈のみでは語れない感情を持つ人間が意思決定を行うという紛れもない事実を認識し、経営者の気持ちを忖度する能力と品格を兼ね備えてはじめて、顧客へM&Aのプロとしてのサービスが提供できると考えています。

わが国M&A市場の発展に貢献することで、日本の産業界の活性化へ

 資本主義という仕組みの下、社会を構成する一単位という意味で企業を「細胞」に例えてみると、細胞ひとつひとつは成長し、その中には重要なDNAが刻み込まれています。レコフの使命は、M&A手法を用いて細胞を活性化させ、継承すべきDNAを次世代へつなげていくことにあります。こうした意義をもつM&A案件を多数創出・実行することにより、日本の産業界の活性化と発展に貢献することが私たちの願いです。
  さらに弊社は、M&A市場の公器となることを目指して信頼性・網羅性の高いM&Aデータベースを構築するとともに、わが国唯一の専門誌マール(MARR)を発行しています。これらは、M&Aに関連する業務に携わる皆様に広く受け入れられ、わが国のM&A市場のレベルを向上させる一助となっています。また、経済産業省や内閣府をはじめとする官公庁が主催される研究会にご協力するとともに、わが国M&Aの発展のために設立された団体「M&Aフォーラム」の中では、関係各所のご尽力によりM&Aフォーラム賞正賞(レコフ賞)が創設されました。賞の選考委員長は経済評論家の香西泰先生にお願いしておりますが、レコフもM&Aに精通した研究者の育成に協力しています。

 これからもレコフは、M&A案件の創出・実行を通じて企業の活性化に取り組むとともに、わが国のM&A市場の発展にも尽力し、そのことにより日本の産業界全体の発展に貢献する努力を続けてまいります。 吉田 允昭