2018年5月公表のM&A件数は311件あり、前年同月比25.4%増であった。マーケット別ではIN-INが225件、前年同月比25.7%増、IN-OUTは63件、前年同月比21.2%増、また、OUT-INは23件で、前年同月比35.3%増となった。このうち公表ベースの事業承継M&Aは32件(注参照)あり、建材商社(建材販売・卸)が買い手のM&Aが3件あった。
OCHIホールディングス(HD)は、木材加工、販売の愛媛プレカット(松山市)を5月10日付で買収する。個人から全株式を取得する。同社は1992年設立、売上高27億4700万円。住宅用木材などを加工し、愛媛県を中心に販売を行う。加工能力は四国最大クラス。OCHI HDは四国地区の事業拡大を図る。自社の加工事業や建材事業と連携させ、グループシナジーを追求する。
住宅資材販売のヤマガタヤ産業(岐阜県)は、家具製造の伊藤木工(同県瑞穂市)を買収した。同社は社名を「板蔵ファクトリー」に変更した。ヤマガタヤ産業の取締役が社長に就き、伊藤木工の社長は顧問となった。伊藤木工は1955年創業、従業員4人の模様。注文住宅などで使う地元産材や国産材などで家具を製造する。後継者難だった。ヤマガタヤ産業は家具製造業に参入する。デザイン力を強化し、将来的にはブランド化などで付加価値の高い手作り家具の製造販売を目指す。
 レコフデータが事業承継M&A(「事業承継M&A」の定義は下記注釈をご参照下さい)の集計を開始した2008年から2018年5月までの案件のうち、建材販売・卸売業が買い手となった事業承継M&Aは26件あり、このうち同業を買収した案件は9件で、残りの17件、すなわち約3分の2は他業種企業の買収となっている。このことから、建材卸売業者が事業承継を含むM&Aを契機として、建築資材のみならず関連諸分野の商材や資材の加工、建設事業等を取り込む等、業容を拡大しようとしている姿が垣間見える。

 

(注)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる

IN-IN : 日本企業同士のM&A

IN-OUT: 日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A

OUT-IN: 外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A

ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。

ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。

公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む