2018年6月公表のM&A件数は290件あり、前年同月比30.6%増であった。マーケット別ではIN-INが217件、前年同月比46.6%増、一方、IN-OUTは55件、前年同月比8.3%減となった。また、OUT-INは18件で、前年同月比28.6%増となった。このうち公表ベースの事業承継M&Aは45件(注参照)あり、単月の事業承継M&A件数として過去最多となった。自社の事業領域の拡大や機能強化に向けたM&Aが発表されている。

バリューゴルフは、旅行業の産経旅行(東京都)を買収する。代表取締役から全株式を取得する。1975年設立の同社は、外国人スタッフが窓口となり在日外国人向けの旅行や手配を行うことに強みを持つ。また、第1種旅行業登録を行っており、海外の募集企画旅行も取り扱うことができる。バリューゴルフは2018年2月に第3種旅行業登録の日本旅行協会(東京)を買収した。ゴルフ事業での既存のトラベルサービスの内製化、ゴルフ事業、メディカル事業での新たなサービス開発を行い、グループの事業領域の拡大を目指す。

ヤマノホールディングスは、ネイルサロン経営のみうら(東京都)を買収する。代表取締役から全株式を取得する。同社は30年弱の社歴をもち、都内に3店舗を展開する。ヤマノHDは美容事業では和装宝飾事業との連携により着付けサービスの拡充を図るとともに、従来型の中価格帯ブランドに加え低価格帯サロン業態の新ブランド店舗の出店を開始し、今後、環境に応じた出店領域拡大を目指している。美容事業のサービス拡大、新たなビジネスモデルの構築を図る。

紳士服大手のはるやまホールディングスは、繊維品製造販売の田原コンサート(大阪市)を買収した。代表取締役から全株式を取得した。同社は百貨店やセレクトショップが扱う高級スーツのOEMを手掛ける。後継者が不在だった。はるやまHDは小売業だけに留まらず、製造と小売の一貫性を持った展開を図る。田原コンサートの技術力、製造キャパシティを活かし、独自性のある製品づくりを進める。グループの販路や経営資源を効率的、合理的に活用し、強固な事業体制の確立を目指す。
 

 2018年上半期(1-6月)の事業承継M&Aの件数は221件となり、レコフデータが事業承継M&A(「事業承継M&A」の定義は下記注釈をご参照下さい)の集計を開始した2008年以降で上半期として過去最多となった。経営者の高齢化の進展や後継者難等を背景に事業承継M&Aに対するニーズは増えており、同マーケットは今後もさらに拡大していくものと考えられる。
 


(注)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる

IN-IN : 日本企業同士のM&A

IN-OUT: 日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A

OUT-IN: 外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A

ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。

ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。

公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む