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2018年9月の事業承継M&Aマーケット概況 ~外食業界のM&A~

月刊事業承継M&Aレポート

2018.11.01

 2018年9月公表のM&A件数は282件あり、前年同月比20.5%増であった。マーケット別ではIN-INが193件、前年同月比11.6%増、IN-OUTは60件、前年同月比27.7%増となった。また、OUT-INは29件で、前年同月比107.1%の大幅増となった。このうち公表ベースの事業承継M&Aは38件(注参照)あり、このうち外食企業によるM&Aが3件あった。
 

 飲食店運営のサブライム(東京都)は、全額出資子会社で同業のパートナーズダイニング(同)を通じて、焼き肉店運営の牛の達人(同)を買収した。既存株主から全株式を取得した。同社は2009年設立、従業員15人。東京の新宿や秋葉原に店舗を有する。サブライムは90ブランドを展開しているが、グループで初めての焼肉業態の取得となる。牛の達人のブランド力にサブライムのノウハウ、店舗オペレーション力の強化を図ることで、事業領域と収益を拡大させる。
 

 ジー・テイストは、飲食店経営の湯佐和(神奈川県)を買収する。代表取締役等2人から全株式を取得する。これに先立ち、同社は「ユサワフードシステム」(同)を設立し、運営する13店舗のうち3店舗を会社分割により切り離す。湯佐和は寿司居酒屋、海鮮居酒屋を展開し、売上高約16億2100万円。三崎漁港と長井漁港の買参権を有することで朝どれの魚を店舗で提供するノウハウなどを有する。ジー・テイストは収益力の向上や価格競争力の強化を実現できるなど、様々なシナジーにつながると判断した。
 

 日本銀行による企業の業況調査である「全国企業短期経済観測調査(日銀短観)」によると、産業別の労働力の過不足感を示す指標「雇用人員判断D.I.」で、「宿泊・飲食サービス業」は2018年、▲60%ポイント(数値が低い程、不足感が強い)台の水準となるなど、人手不足が深刻となっている。また、同業界を含む個人消費関連の業種では人手不足による倒産・廃業等も増加傾向にあると伝えられるが、厳しい環境下においてもブランド力や独自のノウハウ等を培ってきた飲食店企業等は数多く、こうした企業を傘下に入れ事業を強化しようとする事業承継M&Aは増えていくものと考えられる。



(注)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる

IN-IN : 日本企業同士のM&A

IN-OUT: 日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A

OUT-IN: 外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A

ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。

ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。

公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む

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