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2018年10月の事業承継M&Aマーケット概況 ~調剤薬局のM&A~

月刊事業承継M&Aレポート

2018.11.16

 

2018年10月公表のM&A件数は385件あり、前年同月比41.5%増であった。マーケット別ではIN-INが283件、前年同月比40.8%増、IN-OUTは71件で、前年同月比36.5%増となった。また、OUT-INは31件で前年同月比63.2%と、9月に引き続き前年同月比で大幅増となった。このうち公表ベースの事業承継M&Aは49件(注参照)あり、このうち調剤薬局のM&Aが3件あった。

 

メディカルシステムネットワークは、全額出資子会社で調剤薬局運営のなの花北海道(札幌市)を通じて、同業のアリエス薬局(同)を買収した。既存株主から全株式を取得した。同社は「アリエス薬局厚別店」(同)、アリエス薬局(北海道北見市)を運営する。メディカルシステムネットワークグループの店舗数は調剤薬局408店舗、ケアプランセンター1カ所、ドラッグストア7店舗など計419店舗となった。

 

ロングライフホールディングは、傘下で調剤薬局事業のロングライフメディカル(大阪市)を通じて、同業のユウシンメディック(神戸市)から事業を会社分割により譲り受ける。対価は金銭。同社は売上高3億1700万円、従業員8人。ロングライフメディカルは関西で調剤薬局「あおぞら薬局」を6店舗運営している。収益拡大を図る。

 

ソフィアホールディングスは、傘下で調剤薬局運営のルナ調剤(東京都)を通じて、同業のユウアイファーマシー(同)を買収する。代表取締役等2人から1億4900万円で全株式を取得する。同社は売上高3億3000万円。東京都練馬区で2店舗、中野区で1店舗を展開する。ソフィアHDは引き続きM&A等により調剤薬局事業の拡大を図る。

 

全国の薬局数は平成29(2017)年度末時点で59,138店であったが、その多くが個人経営の薬局で構成されており、調剤薬局業界は大手10社のシェア合計(試算値)が20%に満たない市場となっている。しかしながら、規模の経済が機能する業態であるともされ、個人経営や中小規模の調剤薬局等を対象に、同業のほか、ドラッグストアや大手スーパー等の、薬局業務と親和性の高い他業種企業も買い手としてM&Aを活発に行っており、非公表の案件を含め、かなりの数のM&Aが行われていると考えられる。調剤報酬の改定の影響や薬剤師不足、経営者の高齢化等により、事業の継続が難しくなる調剤薬局も増えており、同業界のM&Aは今後もさらに増えていくと考えられる。

 

(注)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる
IN-IN:日本企業同士のM&A
IN-OUT:日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A
OUT-IN:外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A
ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。
ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。

公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む。

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