2020年1月公表のM&A件数は283件であり前年同月比5.0%の減少となった。マーケット別では、IN-INが200件で前年同月比2.4%減、IN-OUTは70件で前年同月比6.7%減、そしてOUT-INは13件で前年同月比27.8%減であった。このうち公表ベースの事業承継M&Aは46件(注1参照)であり、この中で投資会社などを含む業種名「その他金融」に属する企業によるM&Aが6件あった。

投資会社のロングリーチグループ(東京)は、カフェチェーン運営のシャノアール(同)を買収する。株式を取得する。同社は1965年創業。セルフサービス式の「カフェ・ベローチェ」を主とした高い認知度を誇るブランドを有し、全国に190を超える店舗を展開している。ロングリーチはフルサービス喫茶店業態で国内第2位の規模を誇る「珈琲館」などカフェ・外食事業対する投資実績を有する。培った経験を基に、戦略立案・実行ノウハウなどの経営資源を提供するなど、あらゆる面から支援を行う。

オリックスは、後発医薬品研究開発・製造・販売の小林化工(福井県あわら市)を1月中をめどに買収する。オーナーなどから過半数の株式を取得する。同社は1961年設立、売上高350億円、従業員728人。経口剤や注射剤などのジェネリック医薬品を自社で研究開発し、原料調達から製造・販売までを行っている。福井県内に複数の製造工場・研究所を有し、服薬しやすい剤形への改善や誤飲を防ぐ視認性の高い製剤の開発など、付加価値を有したジェネリック医薬品を取り扱うほか、抗がん剤などの高薬理活性製剤の開発も手掛けている。オリックスはヘルスケア業界での事業を拡大し、持続可能な社会保障の実現に貢献する。

投資会社のインテグラル(東京)とその関連ファンドは、コンベヤ部品メーカーのJRC(大阪市)に資本参加した。既存株主から株式を取得した。一部報道では金額は数十億円。社長等現経営陣は株式を継続保有する。同社は1961年創業。屋外用ベルトコンベヤの部品であるローラ・スタンド、プーリの国内トップメーカー。幅広い製品ラインアップ、全国の営業拠点網と代理店網、自動化工場での生産によるコスト低減、東西の物流センターを起点としたデリバリー体制などを強みとし、ローラ・スタンド市場では市場シェア約50%を有する。インテグラルは事業の成長・発展をサポートする。

さて、レコフM&Aデータベース((株)レコフデータ提供)によると、「その他金融」が買い手となった事業承継M&Aは2017年17件であったが、2018年には大幅に増加して46件になり、2019年も49件という高い水準であった。前述したように1月のみで6件になったことに鑑みれば2020年も2018年、2019年と同様に高い水準になりそうである。




 
(注1)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる
IN-IN:日本企業同士のM&A
IN-OUT:日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A
OUT-IN:外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A

ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。
ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。
公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む。