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2021年10月の事業承継M&Aマーケット概況 ~増加する投資会社による事業承継M&A〜

月刊事業承継M&Aレポート

2021.11.24

 2021年10月公表のM&A件数は378件となり前年同月比で10.6%の増加となった。マーケット別にみるとIN-INは305件、前年同月比16.9%増、IN-OUTは51件、同4.1%増、一方、OUT-INは22件、同18.5%減となった。このうち事業承継M&A(注1参照)は68件という高い水準であり、このうち投資会社買い手のケースは9件あった。


 プロレド・パートナーズの全額出資子会社のブルパス・キャピタル(東京都)は、サービスを提供するドルフィン1号投資事業有限責任組合が出資するドルフィン・バリュー・アップ3号を通じて、コールセンター運営などのアイネットサポート(東京都)に投資した。経営陣から株式を取得した。同社は2006年設立。民間企業・行政向けに全国5都府県でのコールセンターの運営やアウトソーシング受託、代理店販売事業を約15年にわたり提供している。ブルパス・キャピタルはハンズオンでの経営支援を実行する。


 投資業のクレアシオン・キャピタル(東京都)は、全額出資で設立したJXホールディングス(東京都)を通じて、システム開発・販売のジャパンメディアシステム(東京都)をTOBにより買収する。入札で決定した。買付予定数は4万3630株(買付後の所有割合100%)。2万6147株(同66.67%)を下限とする。議決権の3分の2以上に相当する。上限は設けない。買付期間は10月19日~12月15日の40営業日。TOB成立を条件に、クレアシオン・キャピタルが運営する4ファンドから計39億円を上限に出資を受けるほか、りそな銀行、横浜銀行から14億6000万円を上限に借入れを行う。90%以上取得した場合は株式等売渡請求を実施し、90%未満の場合には株式併合を行う。JX HDはジャパンメディアシステムを吸収合併する予定。同社はビジュアルコミュニケーションシステム「LiveOn」を開発・販売している。抜本的な成長戦略を実行できる体制の構築と資本構成の安定化を図る。中核事業であるイントラパック版(オンプレミス)の競争力を再強化する。


 エンデバー・ユナイテッド(東京都)が管理・運営するエンデバー・ユナイテッド2号投資事業有限責任組合は、ファブレスメーカーのシンワバネス(東京都)を買収した。既存株主から株式を取得した。同社は1978年設立。半導体製造装置に使われるヒーターの設計・開発を行っている。技術力、品質力、対応力を背景に、顧客企業の課題に応じた高付加価値製品を供給してきた。協力会社との関係強化による生産体制の拡充や設計・開発機能の強化を通じて、需要や技術革新ニーズに応える方針。エンデバーは経営基盤の強化をサポートする。


 本年6月に当掲示板で「2017年に年間19件であった投資会社買い手の事業承継M&Aは2018年に49件となり、同年以降年40件台を維持。2021年も1~5月で21件となり年換算すると50件というレベルである。」と執筆したが、既に1~10月で47件となり年間50件を上回りそうな勢いである。全国に店舗を有する有力銀行が事業承継M&A専門のファンドを立ち上げた例もあり、事業承継M&Aにおける投資会社のすそ野は広がりつつある。


(注1)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる
IN-IN:日本企業同士のM&A
IN-OUT:日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A
OUT-IN:外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A

ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。
ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。
公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む。

 

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