2020年12月公表のM&A件数は383件で前年同月比3.7%の減少となった。マーケット別ではIN-INが298件で前年同月比0.3%増、一方、IN-OUTは48件、同27.3%減、また、OUT-INは23件で前年同月比15.0%の増加となった。12月の公表ベースの事業承継M&Aは51件(注1参照)であり、この中には物流会社のM&Aが3件含まれた。

 トナミホールディングスは、倉庫業の御幸倉庫(愛知県春日井市)を買収する。個人から全株式を取得する。御幸倉庫は売上高8億5000万円。主に中部エリアでメーカー系の物流を強みとして物流サービスの展開を図っている。トナミループは拠点運営に関わるノウハウを基盤とした3PL事業の効率的・機動的な業務システムの提供や実運送業者としての輸配送機能を発揮することで、業容を拡大させる。経営資源の連携や情報システムの共有など協業化を進め、生産性の拡大を図る。


 日本山村硝子は、全額出資子会社で貨物自動車運送事業などの山村ロジスティクス(YL、兵庫県尼崎市)を通じて、同業の中山運送(大阪府茨木市)、マルイシ運輸(同)の2社を買収する。代表取締役からそれぞれ全株式を取得する。中山運送は1963年設立、売上高28億5100万円。マルイシ運輸は1982年設立、同17億5800万円。YLは3PL事業を本格的に手掛けており、構内作業の受託に取り組んできた。運送事業では関東を中心に展開している。関西での事業の拡充を図る。構内作業と配送の両方を受託することによる売上増加などの相乗効果を見込む。

 
さて2020年、事業承継M&Aはコロナの影響により4〜5月、大きく減少したがその後回復し、過去最多の2019年と同じ件数(616件)であった。後継者難がさらに深刻化しているとの見方は多く、M&Aは事業承継問題解決に向けた手段として一層重要性が高まりそうである。

 

 

(注1)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる
IN-IN:日本企業同士のM&A
IN-OUT:日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A
OUT-IN:外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A

ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。
ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。
公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む。