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2025年7月の事業承継M&Aマーケット概況 ~HRテック関連のM&A〜

月刊事業承継M&Aレポート

2025.08.19

 7月の件数は435件で、前年同月比16.3%の増加となった。マーケット別ではIN-INが357件で前年同月比21.4%増、一方、IN-OUTは50件、同12.3%減、OUT-IN は28件で同21.7%増であった。同月の事業承継M&A(注1参照)は77件、前年同月(64件)比20.3%の増加となった。この中で、ソフト・情報に属する企業を対象(売り手)とした事業承継M&Aが15件あり、このうちHRテック(下記※参照)関連のM&Aが3件あった。

 

※人事(Human Resources)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた言葉

 

 ビジョナル(東証プライム上場)の全額出資子会社でHR Tech事業のビズリーチ(東京都)は、同業ベンチャーのThinkings(東京都)を買収する。会長、社長等6人、インキュベイトファンド(東京都)が運営するインキュベイトファンド5号投資事業有限責任組合などから140億1,000万円で全株式を取得する。同社は2020年設立、売上高19億8,300万円。クラウドシステム「sonar ATS」を主力サービスとし、採用管理クラウド市場を牽引してきた。ビジョナルは中小・中堅企業から大企業の新卒・中途採用領域の採用管理クラウドサービスのマーケットリーダーとしての地位を強固なものとする。顧客の利便性を向上させる。


 Rakumo(東証グロース上場)は、人材に特化した各種IT事業のエージェントシェア(東京都)を買収する。代表取締役等から6億3,400万円で全株式を取得する。同社は2021年9月設立、売上高6,200万円。人材紹介会社向けアライアンスサービス「AGENT SHARE」などHR領域で4つのプロダクトを提供する。rakumoは人材管理・採用支援ソリューションサービス「aloop」を提供している。HR領域でのプロダクトの拡充とノウハウ獲得を図る。


 人材不足の深刻化とデジタル化が進展する中、HRテック市場は急成長していると言われている。その分、企業による参入が活発で企業間競争が激化していると伝えれらており、今後も事業や経営基盤の強化に向けたM&Aは活発に行われると考えられる。


(注1)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる
       IN-IN:日本企業同士のM&A
       IN-OUT:日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A
       OUT-IN:外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A

ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。
ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。
公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む。

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