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月刊事業承継M&Aレポート
11月の件数は426件で、前年同月比29件、7.3%の増加となった。マーケット別ではIN-INが338件で前年同月比11.6%増、一方、IN-OUTは54件、同14.3%減、また、OUT-IN は34件、同9.7%増だった。同月の事業承継M&A(注1参照)は69件、前年同月(80件)比13.8%の減少となった。
印刷・集客支援のシェアリングプラットフォームを運営しているラクスル(東証プライム上場)は、ビニールカーテンなどBtoB受注プラットフォーム「ビニプロ」運営のチームライク(神奈川県)を2026年2月1日付で買収する。社長などから約14億3,000万円で全株式を取得する。同社は2015年設立、売上高13億8,300万円。現地の採寸や施工が必要とされるビニールカーテンなどのカスタム商材を「WEB完結」で販売する独自のノウハウを保有している。ラクスルは事業領域の拡張を目指す。既存顧客基盤へのクロスセルによるARPU(顧客単価)向上といったシナジー創出も見込む。
なお12月にラクスルは、同社の社長と会長が、米ゴールドマン・サックスと共同でラクスルをMBOにより買収すると発表。非上場化を目指し2026年には東証プライム上場廃止となる見込み。ラクスルは既存事業のオーガニック成長の加速、連続的なM&A戦略の継続・拡大、AI Native化への投資と効率化、Quality Growthの継続を重要なテーマとしている。ゴールドマン・サックスが培った業界知見、グローバルネットワーク、各投資先企業の現経営陣との強いリレーションを活用し、その実現を図る意向だ。
ラクスルは今年、前述したチームライクの他にもオリジナル手提げ紙袋企画、製造、輸入、販売の丸玉工業(岐阜県)や、ダイレクトメール発送、郵便物の封入・封緘作業のメーリングジャパン(宮城県)を買収しており、M&Aによる今後のシナジー効果が注目される。
(注1)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる
IN-IN:日本企業同士のM&A
IN-OUT:日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A
OUT-IN:外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A
ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。
ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。
公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む。
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