2018年12月公表のM&A件数は370件あり、前年同月比8.2%増となった。マーケット別では、IN-INが26件で前年同月比1.5%減少となったが、IN-OUTは91件と前年同月比42.2%増。また、OUT-INは23件で、前年同月比27.8%増となった。このうち公表ベースの事業承継M&Aは45件(注1参照)であった。以下は投資会社が買い手となった事例である。

東京海上キャピタル(東京)が管理・運営するTMCAP2016投資事業有限責任組合(同)は、仮設資材販売・レンタルの旭ハウス工業(名古屋市)を買収した。既存株主から株式を取得した。同社は1975年創業。大都市圏を中心に全国に拠点を有する。建築現場のほか、花火大会・マラソン大会などの各種イベントでも製品を提供している。東京海上キャピタルは経営ノウハウや人的サポート、M&Aなどの立案・実行支援を提供する。(発表は11月30日)

三菱商事の子会社の丸の内キャピタル(東京)が管理・運営する丸の内キャピタル第二号投資事業有限責任組合(同)は、全額出資の特別目的会社を通じて、セールスプロモーション、マーケティング支援サービス提供のベストプロジェクト(大阪市)の持株会社であるベストプロジェクトホールディングス(同)を買収した。オーナーから全株式を取得した。ベストプロジェクトは1976年創業。POP・什器、キャンペーン・集客用のノベルティ制作、イベント企画・運営、店舗施工などの店頭に特化した事業を展開する。既存顧客向けに質の高いサービス提供を続けるほか、顧客基盤の拡大と事業の成長を目指す。(発表は11月30日)

2018年公表の事業承継M&A件数は、前年比69.2%増の543件となり、レコフデータが調査を開始した2008年以降で過去最多を記録した。事業承継M&Aの市場はこの10年間で、ほぼ右肩上がりに成長し、2018年の件数は2008年と比べると約3.4倍になっている。勿論、買い手の多くは事業会社であるが、2018年は投資会社やファンド等が買い手となった案件の数が前年比2.4倍となり、事業承継M&A全体の約8%を占めた。事業承継案件における買い手として投資会社の存在感が高まった1年となった。

 

(注1)M&A件数は、株式会社レコフデータがニュース・リリース等公表資料などから集計しているデータによる
IN-IN:日本企業同士のM&A
IN-OUT:日本企業が当事者1(買い手)、外国企業が当事者2(売り手)となるM&A
OUT-IN:外国企業が当事者1(買い手)、日本企業が当事者2(売り手)となるM&A
ここでは公開情報から収集した「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売却した案件(オーナー系企業売却案件)」を事業承継M&Aと定義。
ただ、事業承継M&Aは捕捉不可能な未上場企業同士の非公開案件が多く、実際の件数はこの数倍と言われている。
公表ベースでデータを収集しており、未完了案件を含む。