愛媛県のM&A・経済近況
総人口は1985年をピークに、2017年には136万人となり、今後も人口減少が続くとみられています。農林水産業全体的に域外収支プラスと外から稼ぐ重要産業となっています。第二次産業においては、パルプ・紙・紙加工品、非鉄金属製造業が地域特性の強い産業として重要です。
愛媛県のM&A事例
愛媛県のM&A件数 – 2022年
2022年の愛媛県のM&A件数は19件でした。
内訳(買手-売手)は、地域内-地域内 6件、地域内-地域外 3件、地域外-地域内 10件 でした。
M&Aトピックス
愛媛県の企業が買い手となった特徴的なM&A案件を、年度別にピックアップしてご紹介します。
2018年
檜垣産業/横河電子機器
鋼材・船舶資材販売、機械整備業などの檜垣産業(愛媛県今治市)は、横河電機の全額出資子会社で航海機器など製造・販売の横河電子機器(東京)を12月に買収する。全株式を取得する。同社は1960年設立、売上高124億円、従業員665人。航海・航空燃焼・環境計測機器などの幅広い事業に強みを有する。檜垣産業は同973億円、同45人。将来に向けた研究開発の推進、事業の多角化に取り組む。
ベルグアース/BJアグロ
ベルグアースは、韓国の農業会社法人である濟農の代表者の金泰享氏が10月に同国・済州島に設立したBJアグロを11月15日付で買収する。約680万円(7000万ウォン)の第三者割当増資を引き受け、70%の株式を取得する。ベルグアースは中国の子会社を中心に農業のグローバル化に向け、同国内で鉢花、野菜苗などの生産販売事業などを行っている。日本肥料メーカーなどとの連携、濟農の販売力を組合せ、韓国国内での肥料などの販売を行い売上拡大を図る。将来的には、東アジア全体をターゲットとして日本と韓国の優良な種子、農業用資材、技術ノウハウを用いた苗や栽培システムなどの販売を推進する。
しこく創生投資事業有限責任組合/フジコソ
阿波銀行など四国の地銀4行の共同出資会社である四国アライアンスキャピタル(松山市)は、運営するしこく創生投資事業有限責任組合(同)を通じて、自動化生産設備設計・製作のフジコソ(愛媛県東温市)を10月29日付で買収した。創業オーナー一族などから過半数の株式を取得した。同社は1990年設立、売上高見込み12億円、従業員約60人。自動車・電機業界などの大手メーカーとの取引実績により厳しい品質と納期の要求に対応した業務プロセスを構築している。四国アライアンスキャピタルは複数の役員を派遣し、創業オーナーによる同族経営から組織的経営への移行をサポートする。
2017年
ダイキアクシス/岸本設計工務
浄化槽大手のダイキアクシスは、土木工事業、太陽光発電に係る電力販売事業などの岸本設計工務(松山市)を3月30日付で買収する。岸本幸一郎社長らから3億8000万円で全株式を取得する。同社は売上高11億3200万円。愛媛県内はもとより全国の土木工事業を手掛けており、中でも推進工法を得意とする。太陽光発電に係る電力販売事業や不動産賃貸事業も手掛けている。ダイキアクシスは国内外のグループシナジーに活かすとともに、自社ネットワークを活用した収益拡大を目指す。
MLE/アイナックス稲本ホールディングス
産業小型ボイラーの三浦工業は、全額出資で設立したMLE(東京)を通じて、業務用洗濯機・乾燥機など開発・製造・販売のアイナックス(同)を傘下に持つアイナックス稲本ホールディングス(同)を7月3日付で買収する。ライジング・ジャパン・エクイティ(同)が運営するライジング・ジャパン・エクイティ第一号投資事業有限責任組合(同)から111億円で全株式を取得する。アイナックス稲本HDは売上高151億円。国内の業界トップランナーとして強固な事業基盤を築いている。三浦工業は新たな事業軸を獲得する。業務用の製品ラインナップの拡充を実現する。工場全体のトータルソリューションを提供する。
ゴウダ/日本触媒
ゴム製品・建設資材など販売のMIWAグループ(東京)で土木資材販売のゴウダ(愛媛県四国中央市)は、日本触媒から土木用摩擦低減材「フリクションカッター」生産、販売事業を4月21日付で譲り受けた。日本触媒は長年に渡るフリクションカッター技術と同事業の確立に目処が立った機を捉え、土木資材事業に確たる基盤を有するゴウダに将来の発展を託す。今後も原料の供給と技術協力を通じて支援する。
2016年
松山第一交通/すみれタクシー
第一交通産業は、孫会社の松山第一交通(松山市)を通じて、タクシー業のすみれタクシー(同)を1月22日付で買収した。高橋敬子代表取締役ら2人から全株式を取得した。同社は社名を「すみれ第一交通」に変更した。松山第一交通の浦川武夫代表取締役が代表取締役に就いた。すみれタクシーは従業員14人、車両台数9台。第一交通産業の愛媛県内でのタクシー台数はグループ2社と合わせて100台、グループ全体で8276台となった。
秋田屋/オオクラ
酒類食品卸の秋田屋(名古屋市)は、同業の高山酒類卸(岐阜県高山市)と同社の子会社のオオクラ(同)の2社を3月9日付で買収した。既存株主からそれぞれ全株式を取得した。全従業員約30人を引き継ぐ。秋田屋の亀山敏夫取締役が2社の社長に就く。高山酒類卸、オオクラはそれぞれ売上高20億円、13億円。
今治造船/りんかい日産建設
造船メーカーの今治造船(愛媛県今治市)は、総合建設業のりんかい日産建設(東京)を9月15日付で買収した。アスパラントグループ(同)が運営するAG投資事業有限責任組合(同)、大和証券グループ本社の孫会社の大和PIパートナーズ(同)から過半数の株式を取得した。りんかい日産建設は従業員508人。海上土木、陸上土木、建築事業を行っている。現在、今治造船の丸亀事業本部の新ドック建設工事なども施工している。今治造船は自社の事業基盤の安定化に寄与すると判断した。AG投資事業有限責任組合と大和PIパートナーズは会社更生手続き中のりんかい日産建設と2015年3月にスポンサー契約を締結した。
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