近畿地方の経済

近畿地方(大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山、滋賀、三重)は、古くから銀経済で栄え、天下の台所とも呼ばれた商都・大阪を中心に明治維新まで国の首都として栄えた京都、奈良、太平洋ベルトの一角を担ってきた神戸など、近代工業や伝統工業など、独自の産業構造を持った都市がネットワークしています。

商業は江戸時代以来の経済の中心地であったことを受け継ぎ、西日本の中心地となっています。

工業では、高度経済成長期には堺や神戸などに重化学工業が発展し、阪神工業地帯を形成しており、現在では、工業地は播磨灘や内陸部の琵琶湖東岸などに広がっています。

また近畿では経済発展に伴い、大阪市を中心に郊外や観光地を結ぶ民間鉄道網が早くから発達し、都市が郊外に拡大していきました。

近畿地方の経済規模は、全国シェアの約17%程度を占めており、事業所数は約105万事業所が存在しています。近年は、三洋電機の消滅やシャープの苦境、パナソニックの拠点統廃合など、関西経済をリードしてきた大手電機メーカーの業績は相次いで低迷し、これら大企業へ依存していた多くの中小企業も、かつてない逆風にさらされていますが、一方で外国人旅行者が関西にも殺到するなどインバウンド需要は拡大を続けています。産業構造ではサービス業、製造業がそれぞれ約20%を占める。

近畿地方(大阪除く)のM&A – 2018年

2018年の近畿地方(大阪除く)のM&A件数はトータル227件でした。これまで2017年の197件が過去最高でしたが、昨年を上回る件数でした。 買手、売手とも地域内のM&A案件は31件、買手が地域内、売手が地域外のM&A案件が92件、買手が地域外、売手が地域内のM&A案件が104件でした。

近畿地方の企業が買手となった123件を業種別にみてみると、投資ファンド含む「その他金融」が30件でトップ、第2位に製造業の「電機機器」が13件、第3位は「小売業」と「サービス業」がそれぞれ11件でした。

トータル227件中、2018年の金額トップ5は、

  • 1位  約1165億円
    日本電産は、米家電大手メーカーのワールプール(ミシガン州)の冷蔵庫用コンプレッサ事業(エンブラコ)に属するブラジルのEmbraco Industria de Compressores e Slucoes em Refrigeracao Ltda.など複数の子会社(Embraco Europe S.r.lを除く)を買収する。なお、中国子会社2社については持株会社を香港に設立し、その下に移転する予定

  • 2位  約697億円
    東京センチュリーは、神戸製鋼所の全額出資子会社で不動産事業の神鋼不動産(神戸市)を買収した

  • 3位  約280億円
    新日鉄住金は、持ち分法適用会社の山陽特殊製鋼を買収する。35.7%以上の株式を取得し、出資比率を15.3%から51%以上に高める

  • 4位  約116億円
    日本電産は、台湾証券取引所上場でサーマルモジュールメーカーの超衆科技(CCI)にTOBにより資本参加した

  • 5位  約100億円
    旧村上ファンド関係者が運営する投資会社のレノ(東京)は、新明和工業への出資比率を8.4%から17.2%に高めた

という結果となりました。

また滋賀、和歌山、奈良、三重それぞれの金額トップのM&A案件は、

  • 三重
    約7億円
    シェアリングテクノロジー(シェアテク)は、不動産売買、仲介、賃貸の名泗コンサルタント(三重県四日市市)をに買収した

  • 滋賀
    約90億円
    大阪ガスを代表企業、JFEホールディングスの傘下のJFEエンジニアリング(JFEE、東京)と水道機工を構成員とするコンソーシアムは、滋賀県大津市が全額出資で設立するガス特定運営事業会社を買収した

  • 和歌山
    約10億円
    日本郵政の全額出資子会社の日本郵政キャピタル(東京)は、農業総合研究所に資本参加した

  • 奈良
    約4500万円
    南都銀行が出資し、南都リース(奈良市)が運営するナント6次産業化サポート投資事業有限責任組合は、野菜などフリーズドライ、真空乾燥による固形具材製造、販売のポタジエ(和歌山県紀の川市)に資本参加した

という結果でした。

近畿地方(大阪除く)のM&A – 2017年

2017年の近畿地方(大阪除く)のM&A件数はトータル197件でした。買手、売手とも地域内の案件は37件、買手が地域内、売手が地域外の案件が82件、買手が地域外、売手が地域内の案件が78件でした。

近畿地方の企業が買手となった119件を業種別にみてみると、投資ファンド含む「その他金融」が30件でトップ、第二位に製造業の「電機」が14件、第三位は「食品卸」が13件、第四位は「「その他小売」」が12件、第五位は「サービス」が10件でした。

トータル197件中、2017年の金額トップ5は、

  • 1位  379億円
    回転寿司チェーン5位の元気寿司の親会社であるコメ卸最大手の神明(兵庫)は、同首位のスシローグローバルホールディングス(大阪)に資本参加する。SGHと元気寿司の経営統合に関する協議を開始することを前提に資本業務提携契約を締結

  • 2位  350億円
    神戸製鋼所(兵庫)は、Ulsan Aluminum Ltd.(韓国)に資本参加し50%の株式を取得し合弁会社化する。

  • 3位  319億円
    三重銀行(三重)と第三銀行(三重)は、株式移転により共同持株会社を設立し、経営統合

  • 4位  318億円
    宝飾品メーカーTASAK(兵庫)の田島寿一社長らは、英ケイマン諸島に本社を置くMBKパートナーズと共同で、TASAKIをMBOにより買収

  • 5位  312億円
    住友ゴム工業(兵庫)は、タイヤ販売大手の英Micheldever Tyre Services Ltd.を傘下に持つ持株会社の英ミッチェルディーバーグループを株式取得により買収

という結果となりました。

また京都、滋賀、和歌山、奈良それぞれの金額トップは、

  • 京都
    170億(近畿(大阪除く)では7位)
    オムロン(京都)は、ロンドン証券取引所上場で計測機器メーカーのスペクトリスの米全額出資子会社で産業用コードリーダーメーカーのマイクロスキャンシステムズ(ワシントン州)を株式取得により買収

  • 滋賀
    14億(近畿(大阪除く)では26位)
    リゾートトラスト(愛知)は、ユニマットリタイアメント・コミュニティが全額出資で設立し、介護付有料老人ホーム「アクティバ琵琶」(滋賀)を会社分割により移管するアクティバ(滋賀)を買収

  • 和歌山
    6400万(近畿(大阪除く)では62位)
    文部科学省所管の科学技術振興機構(埼玉)、紀陽リース・キャピタル(和歌山)は、和歌山大学発ベンチャーで3Dスキャナーなど開発の4Dセンサー(和歌山)に資本参加(発表は2016年)

  • 奈良
    2017年は金額非公表案件のみ

という結果でした。

近畿(大阪除く)地方の
過去の案件

(近畿地方(大阪除く)の公表ベースのM&A推移)
(近畿地方(大阪除く)の公表ベースのM&A推移)
※買手、または売手が近畿地方(大阪除く)の企業のM&A件数を集計
※出所:レコフM&Aデータベース

過去の主な大型案件

公表日 対象会社 金額
2016/08 日本電産/エマソン・エレクトリック
日本電産(京都)は、米電機大手のエマソン・エレクトリック(ミズーリ州)からモータ・ドライブ事業、発電機事業を譲り受ける
1,229億円
2016/03 SGホールディングス/日立物流
佐川急便(京都)を傘下に持つSGホールディングス(京都)は、日立製作所の子会社で東証1部上場の日立物流に株式持ち合いにより資本参加
876億円
2015/09 伊藤ハム/米久
三菱商事の持ち分法適用会社で食肉加工2位の伊藤ハム(兵庫)は、同じく子会社で同7位の米久(静岡)と株式移転により共同持株会社を設立し、経営統合
627億円
2012/02 グローリー/タラリス・トプコ
通貨処理機大手のグローリー(兵庫)は、英貨幣処理機大手、タラリス・トプコを買収
858億円
2011/03 カーライル・グループ/ツバキ・ナカシマ
米投資ファンドのカーライル・グループは、野村ホールディングスの傘下の野村プリンシパル・ファイナンス(東京)の投資先でベアリング用鋼球世界大手のツバキ・ナカシマ(奈良)を買収
660億円
2008/05 ローム/OKIセミコンダクタ
ローム(京都)は、OKI(沖電気工業)が半導体事業を会社分割により設立する新会社、OKIセミコンダクタ(東京)を買収
900億円
2007/05 住友電気工業/住友電装
住友電気工業(大阪)は、子会社で名証2部上場の住友電装(三重)を株式交換により51.9%から完全子会社化
499億円
2007/01 ツバキ・ナカシマ現経営陣、野村PF/ツバキ・ナカシマ
ツバキ・ナカシマ(奈良)の現経営陣、従業員らと野村プリンシパル・ファイナンス(東京)は共同で、ツバキ・ナカシマをMBOにより買収
1,014億円
2006/11 グッドウィル・グループ/クリスタル
グッドウィル・グループは、人材派遣のクリスタル(京都)を買収
883億円
2006/09 整理回収機構/紀陽ホールディングス
整理回収機構(東京)は、紀陽ホールディングス(和歌山)に資本参加
315億円
2005/07 ワールド寺井社長、中央三井キャピタル/ワールド
ワールドの寺井秀蔵社長(兵庫)は、同氏が全額出資するハーバーホールディングスベータ(兵庫)の全額出資子会社で衣料品製造のハーバーホールディングスアルファ(兵庫)を通じて、ワールドをTOBとMBOにより買収
2,185億円
2003/07 YUASA/日本電池
鉛蓄電池大手のYUASA(大阪)と日本電池(京都)は、共同持株会社「ジーエス・ユアサ コーポレーション」を設立し、経営統合
417億円
2002/06 コクドグループ/川奈ホテル
コクドグループ(滋賀)は、民事再生法の適用を申請した川奈ホテル(東京)から静岡県伊東市にあるホテルとゴルフ場を譲り受ける
220億円

近畿地方の
レコフの実績

レコフの近畿地方における主な実績を紹介します。
なお、直近の案件は機密保持上、開示しておりませんのでご了承ください。

公表日 対象会社(ポジション)
詳細
2010/06 カネカ/ユーロジェンテック(買手FA)
カネカ(大阪)は、ベルギーのバイオ医薬ベンチャー、ユーロジェンテックを7月をめどに買収する。既存株主から約40億円で50%超の株式を取得する。同社は売上高約45億円。主にバイオ医薬の原料となるたんぱく質や核酸の製造・販売を手がける。カネカは、これまで合成低分子薬向け医薬バルク・中間体の事業を主力事業のひとつとして展開。バイオ医薬事業は研究開発にとどまっていた。需要拡大を受け、バイオ医薬品原料事業に本格参入する。カネカのバイオ技術力とユーロジェンテックの事業基盤を組み合わせ、バイオ医薬関連事業を早期に育成する。事業拡大を図る。10年後の同事業売上高約300億円を目指す。
2006/05 カッパクリエイト、得得/エーエム・ピーエム・近鉄(仲介)
カッパクリエイト(埼玉)は、子会社で惣菜事業の得得(さいたま市)と共同で、近畿日本鉄道の子会社でコンビニエンスストア事業のエーエム・ピーエム・近鉄(大阪)を5月24日付で買収した。近鉄、近鉄百貨店から総額13億5000万円でそれぞれ33%、57%、合計90%の株式を取得した。近鉄、近鉄百貨店両社は引き続き合計10%を保有する。エーエム・ピーエム・近鉄は売上高約56億円。エーエム・ピーエム・ジャパン(東京)と地域フランチャイズ契約を結び、大阪や京都など2府3県で「am/pm」を171店舗運営している。関西地区でのコンビニエンス・ストアビジネスに進出する。
2004/03 コロワイド/贔屓屋(仲介)
コロワイド(神奈川)は、贔屓屋(大阪)を3月31日までに買収する。貝谷祐晴社長から株式を取得し、出資比率を33.09%から50.12%にまで高める。業態の多角化、関西地区での営業基盤の拡大などを図る。コロワイドは2月にユニマットグループから株式を取得し、資本参加した。
2003/05 住商リース/浜銀ファイナンス(売手FA)
住商リース(大阪)は、横浜銀行系リース会社、浜銀ファイナンス(横浜市)を6月30日付で買収する。営業資産は916億円。横浜銀行などから株式を取得する。住商リースのノウハウを導入し、顧客開拓を強化する。横浜銀行の約2万社の融資先のうち、取引先は約1割にとどまっていた。住商リースはM&Aを活発化している。
2003/05 イズミヤ/高島屋ストア(買手FA)
イズミヤ(大阪)は、高島屋の全額出資子会社で近畿で食品スーパーなどを展開する、高島屋ストア(大阪)を6月30日付で買収する。同社は、大阪府内に5店舗と高島屋の食品売り場に4店舗など12店舗を持つ。従業員108人も引き継ぐ。関西での店舗拡大を進める。高島屋は、百貨店事業ヘ集中する。
2002/10 NTTデータ/三洋電機ソフトウェア(仲介)
NTTデータ(東京)は、三洋電機の全額出資子会社、三洋電機ソフトウェア(大阪)に12月2日付で資本参加する。三洋電機から50%の株式を譲り受ける。三洋電機ソフトウェアは、NTTデータの協力を得て開発力や販売力を強化し、外販比率を現在の25%から50%以上に高める。
2001/12 三洋電機/クボタハウス(仲介)
三洋電機(大阪)は、クボタの全額出資子会社でプレハブ住宅を手掛けるクボタハウス(大阪)を2002年4月1日付で買収する。クボタは同ハウスの社員を削減し、累積赤字を処理した上で、全株式を売却する。三洋は総合住宅事業を展開し、家電や住宅設備製造の拡販、新製品開発での相乗効果を狙う。クボタは農業機械などに経営資源を集中する。
2000/12 マックスバリュ西日本/マミー(仲介)
ジャスコ系食品スーパーのマックスバリュ西日本(兵庫)は、山口県下でスーパーを展開するマミー(山口)を株式交換で完全子会社化し、中国地区でのシェア拡大を図る。
2000/10 三洋電機/東芝電池エンジニアリング(買手FA)
三洋電機(大阪)は東芝グループからニッケル水素電池事業を来年3月末までに買収する。東芝グループの東芝電池は年内に100%子会社、東芝電池エンジニアリング(東京)に同事業を譲渡、三洋は同社の全株式を引き受ける。三洋は買収でニッケル水素電池の世界シェアを約6割まで引き上げる。
1995/02 南海建設/辰村組(仲介)
中堅ゼネコンの南海建設(大阪)と辰村組(東京)が対等合併。新会社の売上げは業界60位前後の規模に。建設業界では民需の低迷で受注競争が激しくなっており、関西と関東にそれぞれ営業基盤を持つ両社は合併により相互補完メリットを生かす。

※出所:レコフM&Aデータベース

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