総人口は1985年をピークに、2017年には183万人となり、今後も人口減少が続くとみられています。産業構成比、域外収支、労働生産性の面から、製造業の重要性が非常に大きくなっています。また、化学工業、石油製品・石炭製品製造業にも強みがあります。
山口県の企業が買い手となった特徴的なM&A案件を、年度別にピックアップしてご紹介します。
山口フィナンシャルグループ、西日本シティ銀行など/オールニッポン・アセットマネジメント
山口フィナンシャルグループ、西日本シティ銀行など地方銀行7行は、東海東京フィナンシャル・ホールディングスの傘下で投信運用業のオールニッポン・アセットマネジメント(ANAM、東京)に3月18日付で資本参加した。総額7億円の第三者割当増資を引き受け、それぞれ8.7%の株式を取得した。東海東京フィナンシャルHDの出資比率は39.7%に低下した。日本政策投資銀行(DBJ、同)も2016年度中に出資する予定。ANAMは地域金融機関の運用手法の高度化を通じた地域金融機関の安定的な発展、地方経済振興への寄与を目的として2015年8月に設立された。社長は財務省出身の竹内洋氏が務める。2016年4月頃営業を開始する予定。
リテールパートナーズ/マルキョウ
山口・大分地盤の食品スーパーのリテールパートナーズは、福岡地盤のマルキョウと2017年3月1日付で経営統合する。株式交換により完全子会社化する。交換比率は今後決定する。同社は同年2月24日付で福証上場廃止となる。リテールパートナーズの取締役10人のうちマルキョウが3人を指名し、うち斉田敏夫会長兼CEOが代表取締役会長に就く。マルキョウは福岡県を中心に88店舗を展開する。リテールパートナーズは山口県地盤の丸久と大分県地盤のマルミヤストアが経営統合して2015年7月に発足した。売上高約2300億円、経常利益約75億円となる見込み。中四国・九州地方のみならず近畿地方をも加えた地域で同業者の結集を図り、食品スーパーマーケット同士の連携を深める。ローカルスーパーマーケットの成長の限界を打破することに挑戦する。
ファーストリテイリング/イノベーションファクトリー
ファーストリテイリングは、島精機製作所の全額出資子会社で無縫製ニット製品(ホールガーメント製品)など生産のイノベーションファクトリー(和歌山市)に10月27日付で資本参加した。49%の株式を取得した。合弁会社化する。一部報道では金額は2億円弱。イノベーションファクトリーは島精機製作所のホールガーメント製品を生産する会社として2015年12月に設立された。世界的にも高いニット用編み機生産技術を有する。合弁会社は、ユニクロを中心としたファーストリテイリンググループのホールガーメント製品を生産する。将来的には画期的なニット製品の生産を実現するマザー工場の役割も担っていくことを目指す。