和歌山県のM&A・経済近況
総人口は1985年をピークに、2017年には約94万人となり、今後も人口減少が続くとみられています。産業構成比、域外収支の観点から、鉄鋼業、はん用機械器具製造業、石油製品・石炭製品製造業の重要度が高くなっています。また産業規模は小さいが、耕種農業の域外収支が相対的に高く、果樹王国として有名な県でもあります。
和歌山県のM&A事例
和歌山県のM&A件数 – 2022年
2022年の和歌山県のM&A件数は14件と過去最高でした。
内訳(買手-売手)は、地域内-地域内 4件、地域内-地域外 8件、地域外-地域内 2件 でした。
M&Aトピックス
和歌山県の企業が買い手となった特徴的なM&A案件を、年度別にピックアップしてご紹介します。
2018年
サイバーリンクス/南大阪電子計算センター
サイバーリンクスは、自治体向けシステム、電子カルテ・医療事務システムなど開発の南大阪電子計算センター(MCC、大阪府貝塚市)を買収する。全株式を取得することで基本合意書を締結した。株式譲渡、株式交換の組み合わせによる方法を検討する。MCCは1969年設立、売上高27億2200万円。大阪府南部エリア、和歌山県、奈良県の地方自治体向けに基幹システムの提供などを中心に展開する。サイバーリンクスは官公庁向けクラウドサービス分野で和歌山県内を中心に営業基盤を構築している。各々が官公庁や医療機関向け事業分野で培ってきたノウハウと営業基盤を活かし、シナジー効果を創出する。
2017年
2016年
ヤマイチエステート/ユニチカエステート
不動産業のヤマイチエステート(和歌山市)は、ユニチカの子会社で同業のユニチカエステート(大阪市)を3月31日付で買収する。ユニチカが大阪ガスの全額出資子会社の大阪ガス都市開発(同)から10%の株式を取得したうえで、ユニチカから17億5000万円で全株式を取得する。ユニチカエステートは売上高56億3700万円。ユニチカは重点志向する事業領域への経営資源の集中を図る。
サイバーリンクス/クラウドランド
サイバーリンクスは、兼松エレクトロニクスとの共同出資会社でインターネット型EDIサービス、運用管理サービス提供のクラウドランド(東京)を11月30日付で買収する。兼松エレクトロニクスから6700万円で66%の株式を取得し、出資比率34%から完全子会社化する。クラウドランドは売上高3億8200万円。中堅規模の流通小売業向けにクラウド型EDIサービスを展開する。サイバーリンクスはITクラウド事業での流通業向けクラウドサービスの拡充、事業拡大を図る。食品流通業界の製造・物流・販売を結ぶ情報交換プラットフォームの構築に取り組む。兼松エレクトロニクスはインフラ構築ビジネスへの集中を推進する。
農業総合研究所/世界市場
農業総合研究所は、同社に35.29%出資する筆頭株主でエンターテインメント関連事業企画・販売のプレンティー(東京)と光ディスク修復装置など製造のエルム(鹿児島県南さつま市)の折半出資会社で日本産農産物の海外輸出の世界市場(東京)を8月30日付で買収する。3500万円の第三者割当増資を引き受け、70%の株式を取得する。世界市場は農業総合研究所経由で仕入れた日本の農産物を香港やマレーシアなどアジアを中心にテストマーケティングを実施し、国際輸送にかかる鮮度保持技術、コストなどを検証してきた。一定の成果を得たことから、海外への輸出拡大を目的としたプラットフォーム作りを推進する。
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