茨城県のM&A・経済近況
総人口は2000年をピークに、2017年には約289万人となり、今後も減少となるとみられています。農業・林業が全国平均以上で、第二次産業は製造業を中心に重要度が特に高くなっています。また第三次産業では学術研究・専門・技術サービス業が盛んであることが特徴です。
茨城県のM&A事例
茨城県のM&A件数 – 2022年
2022年の茨城県のM&A件数は55件と過去最高でした。
内訳(買手-売手)は、地域内-地域内 4件、地域内-地域外 15件、地域外-地域内 36件 でした。
M&Aトピックス
茨城県の企業が買い手となった特徴的なM&A案件を、年度別にピックアップしてご紹介します。
2018年
つくば地域活性化ファンド/AGREE
筑波銀行が出資し、筑波総研(茨城県土浦市)が運営するつくば地域活性化ファンド投資事業有限責任組合(土浦市)、個人投資家などが、ドクターシェアリングアプリ「LEBER」を運営するベンチャーのAGREE(つくば市)に資本参加しましましました。同社は2017年2月設立。「LEBER」は24時間・365日スマホで医師と相談できる医療相談アプリで、2018年1月にリリースされていり、医師が症状に合った「近隣の医療機関のMAP表示」や「市販薬の紹介」を行うことで、ヘルスリテラシーの向上などを図っています。調達資金でユーザビリティの向上、BtoB向けサービスの開発を行うとのことです。
めぶき地域創生ファンド/野菜工房
投資ファンドでは、めぶきフィナンシャルグループの傘下の常陽銀行(水戸市)などが出資し、常陽産業研究所(同)とあしぎん総合研究所(宇都宮市)が共同運営するめぶき地域創生ファンド投資事業有限責任組合(水戸市)が、植物工場運営の野菜工房(埼玉県秩父市)に資本参加しました。同社は完全閉鎖型植物工場で噴霧水耕での栽培を行っており、首都圏への品質の高いレタスの安定供給を目的に、茨城県那珂市に完全人工光型植物工場を建設する予定とのことです。
力こぶホールディングス/タマサービス
クリーニング店運営のユーゴー(茨城県小美玉市)を傘下に持つ力こぶホールディングス(同)は、同業のタマサービス(東京都青梅市)を買収しました。タマサービスは1964年設立。力こぶHDはタマサービスが展開する東京西部や埼玉に営業地域を広げ、両社でノウハウを共有し、人材交流も進めるとのことです。2-3年以内をめどに両社が進出していない首都圏中央連絡自動車道(圏央道)沿いの地域への出店を検討します。
2017年
めぶき地域創生ファンド/アトック
めぶきフィナンシャルグループの傘下の常陽銀行(水戸市)などが出資し、常陽産業研究所(同)とあしぎん総合研究所(宇都宮市)が共同運営するめぶき地域創生ファンド投資事業有限責任組合(水戸市)が、石英ガラス研磨・研削・切削・溶接加工のアトック(茨城県常総市)に資本参加しました。同社は最新技術を複合させた総合加工技術を有し、製品は半導体・液晶・オプトエレクトロニクス産業のみならず、大学や公的研究機関でも利用されています。同組合の第6号案件、製造業事業者向けでは初の投資案件となりました。
CYBERDYNE/ワークスアプリケーションズ
CYBERDYNE(サイバーダイン)は、人工知能(AI)型ビジネスアプリケーション「HUE」開発のワークスアプリケーションズ(東京)に10億円の資本参加をお行い、業務・資本提携しました。両社は日本政府が超スマート社会として推進する「Society5.0」の実現に向けて、サイバニクス技術とAI技術による次世代システムの共同開発を行います。CYBERDYNEのサイバニックデバイスやサイバニックインターフェースなどから得られる生体情報や環境情報などと「HUE」を連携させるとのことです。
ヰセキ関東/柳田ヰセキ販売
井関農機の全額出資子会社で農業機械販売のヰセキ関東(茨城県阿見町)は、同業の柳田ヰセキ販売(神奈川県厚木市)をで吸収合併しました。売上高130億円、人員420人となります。ヰセキ関東は茨木・栃木・埼玉を、柳田ヰセキ販売は神奈川・東京を営業エリアとしており、井関農機は市場変化への対応力を高め、販売力を強化します。両社の経営資源を有効活用し、地域に密着した販売サービス体制を構築するとのことです。
2016年
アーバンアーキテック/ハウスネット
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)・有料老人ホーム建築、運営のアーバンアーキテック(茨城県ひたちなか市)は、土地有効活用・注文住宅・住宅リフォームのハウスネット(神奈川県相模原市)を2月に買収しました。アーバンアーキテックは茨城県のほか埼玉県、千葉県などの郊外でサ高住を約30施設運営。東京都心など首都圏での運営の強化を図り、神奈川県、東京都内への進出に向けた足がかりとします。
いばらき新産業創出ファンド/エジソン
茨城県や常陽銀行などが出資し、常陽産業研究所(水戸市)と地域経済活性化支援機構(東京)の全額出資子会社のREVICキャピタル(同)が共同運営するいばらき新産業創出ファンド投資事業有限責任組合(水戸市)は、廃棄物総合管理システム開発、販売のエジソン(茨城県つくば市)に資本参加しました。同社は適正な産業廃棄物処理管理を支援する業務ソフトウェアを廃棄物の排出者と処理運搬業者に提供しており、特に産業廃棄物処理運搬業者向けシステムは国内トップクラスの導入実績を有します。同組合はエジソンの製品開発と社内体制整備を支援するとのことです。
CYBERDYNE/ウィル
CYBERDYNE(サイバーダイン)は、パーソナルモビリティ開発・販売ベンチャーの米ウィル(カリフォルニア州)に資本参加しました。同社は従業員約50人で、日産自動車出身の杉江理氏が2012年に設立。サイバーダインの脳・神経科学、IT(情報技術)などを融合複合したサイバニクス技術とウィルのモビリティ開発技術を活かし、「重介護ゼロ社会」や「Society 5.0」(超スマート社会)に向けた革新的な次世代モビリティの創出と社会実装に向けた包括的な連携を図るとのことです。
近隣の各県別のM&Aはこちらから